枕が合わないと出る症状とその原因とは?頭・首・肩の違和感に 頭痛や痛みの調整方法と対処法を解説

枕が合わないと出る症状には、痛みやコリ以外にもさまざまなものがあります。枕が合わないことで、日常や健康に多くの影響を与えているかもしれません。この記事では、枕が合わないときにみられる症状について解説しています。また、枕が合わない原因や解決方法にも触れているので、参考にしてください。
枕が合わないと出る症状は?
枕が合わないことは、さまざまな不調の原因につながります。次のような症状の場合、一度枕を見直す時期なのかもしれません。
〇 首の痛み、首こり、肩こり
朝起きてすぐに首こりや肩こり、首まわりの痛みを感じる場合は、枕が合っていない可能性があるでしょう。枕が合わないと、睡眠中の姿勢が悪くなります。睡眠中に体にとって不自然な姿勢が続く場合、首や肩の筋肉に力が入りすぎてしまいます。無理な姿勢を長時間続けることは、首の痛みや首こり、肩こりにつながると考えられているためです。
枕の高さが高すぎても、低すぎても、不自然な姿勢になるため、同様の症状が起こる可能性があります。適切な高さの枕を使うことが大切です。
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〇 頭痛
枕が合わないと、朝起きたときに頭痛が起こる可能性もあります。頭痛のほかに首こりや肩こりを感じている場合、緊張性頭痛になっているかもしれません。
枕が合わないことで寝ている間の姿勢が不適切な状態になると、筋肉が緊張し、血流が悪化します。特に枕が必要以上に高い場合、あごが首を圧迫することで頭部への血流が滞りやすくなるでしょう。結果として頭部の血行不良が頭痛を引き起こしてしまうと考えられています。
〇 腰痛や背中の痛み
枕が合わないことによる筋肉の緊張は、腰痛や背中の痛みを引き起こす可能性もあります。眠るときには、本来、リラックスして立った状態と同じ姿勢を保つことが好ましいでしょう。しかし、枕が高すぎたり、低すぎたりすると、腰椎や背骨が不自然な角度で曲げられてしまいます。
さらに、首や肩における筋肉の緊張が腰の筋肉へ影響を与えたり、不自然な姿勢によって腰まわりや背中の血液循環が滞ったりすることも痛みの原因です。
〇 ストレートネックの悪化
ストレートネックの方は枕を見直すことも必要です。ストレートネックとは、本来ゆるやかなカーブで頭部を支えているはずの首の骨がまっすぐになってしまう現象です。
近年、スマートフォンの長時間利用によってストレートネックになることが指摘されています。枕が合っていない場合、特に高すぎる場合には、首がスマートフォンを見ているときと同じような角度になりがちです。そのまま首や肩が硬直するため、正しい姿勢に戻しにくいでしょう。
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〇 いびき
いびきで悩んでいる場合も、枕が自分に合っていないことが原因かもしれません。いびきは、上気道、つまり喉に近い部分の気道が圧迫され、狭くなることによって、粘膜が振動して起こります。枕が高すぎても、低すぎても、必要以上に気道が狭くなってしまう可能性があります。
いびきは複数の疾患につながっているという指摘もあり、健康上の懸念からも自分に合った枕を使うことが求められます。
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〇 睡眠の質の低下
枕が合わないと出る症状の1つに、睡眠の質の低下があります。十分な睡眠時間を確保しても疲れている、寝た気がしないという場合は、枕が合っていないのかもしれません。
枕が合わなければ、寝姿勢が安定せず、首や肩、腰や背中の筋肉に負担をかける可能性があります。また、首まわりで気道が圧迫されることによっていびきをかき、無意識でも不快に感じて中途覚醒してしまう可能性が高まるでしょう。
枕が合わない原因は?
枕が合わないのはなぜなのでしょうか。ここでは、枕が合わない原因について解説します。
〇 枕の高さ
枕が合わない原因として、よくあることが、枕の高さが合っていない状態です。枕の高さが高すぎると、頭が肩よりも高くなりすぎてしまい、頸椎がまっすぐ伸びて首がつっぱった状態になります。一方、低すぎると枕が頭部のみを支える状態となり、首が支えられないため、筋肉で首を支えるしかなくなってしまうでしょう。
どちらの状態も、首や肩に過度な負担をかけ、さまざまな体調不良を引き起こす原因となります。
〇 枕の感触・素材
枕の感触や素材も、自分に合ったものがあるため気をつけたいポイントです。枕がかたすぎる、あるいはやわらかすぎる場合、首や肩をしっかり支えられないため合っていないと考えられます。枕の素材や感触が適切であるかどうかは、基本的には個々人の好みによるでしょう。大切なことは、頭や首が乗ったときに、枕が沈みすぎてしまわないこと、また反発しすぎてしまわないことです。
頭や首の形に合わせて、枕の高さを選ぶとよいでしょう。
〇 枕のサイズ
枕のサイズが自分に合っていないと、眠りを妨げることがあるため注意が必要です。一般的には、1人用枕のサイズは小(セミシングル)、中(シングル)、大(セミダブル)の3種類あります。体格に合わせて、小柄な方がセミシングルを、大柄な方はセミダブルを使うことが多いですが、これはあくまでも目安です。一般的に寝返りには枕のサイズは60㎝以上必要だと言われています。
寝返りで左右に移動することが多い方は、大きめの枕を使ったほうが安定することが多いでしょう。
〇 仰向け寝・横向き寝などの寝姿勢
自分の寝姿勢と枕が合っているかどうかを確認することも重要です。真上を向いて寝る状態は仰向け寝と呼ばれます。仰向け寝のとき、首の下に枕がしっかり入り、首を支えているかどうか、また後頭部の枕が高すぎて頭が前に傾いてしまわないかに注意しましょう。
横向き寝の姿勢では、首と肩との間に枕がしっかり入り、首を支えている状態が理想です。横向き寝が多い人は、高めの枕の方が楽に感じられるでしょう。
〇 マットレスや敷布団などの寝具との相性
寝具と枕にも相性があり、組み合わせが悪いと寝姿勢に悪影響を与えることがあります。一般的に、硬めのマットレスに寝ている場合は、体がマットレスに沈みにくいため、低すぎる枕は腰に負担がかかってしまう可能性があります。
一方、柔らかめのマットレスに寝ている場合は、体がマットレスに沈み込むため、低めの枕がおすすめです。高めの枕を選ぶと、首に負担がかかってしまう可能性があります。
〇 枕の寿命
枕には寿命があります。寿命を迎えると形が変わり、購入当初のように頭や首を支えられなくなるため、枕が合わなくなってしまうでしょう。枕の寿命は、枕の内部に入っている中材によって変わります。一般的な寿命は、2~3年と言われています。ちなみにポリエチレンパイプの枕で5年程度、高反発や低反発のウレタン枕は2~3年、ポリエステルわたやビーズのものは1~3年です。
枕が自分に合っているか確認する方法
枕が自分に合っているか確認するには、いくつかのチェックポイントがあります。まず、起きたときに熟睡感があるかどうかを確認しましょう。寝ている間、寝返りの動きや手のしびれなどで目が覚めている場合などは、熟睡感もなく、枕が合っていない可能性があります。
また、起きたときに枕と頭がずれている場合、枕の下や頭の下に手を入れている場合や、自分がうつ伏せになっている場合も、枕が合っていない可能性があるでしょう。枕が合っている場合は、自然と枕に寄り添って眠るため、朝起きて大きくズレているようなことはなく、肩や首に違和感がないことが特徴です。
枕が合わないと感じたときの対処法
枕が合わないと感じたときは、一時的ですが次のような方法で対処をしてみましょう。
〇 バスタオルで枕の高さを調整する方法
枕が低すぎる場合、バスタオルを使うと枕の高さを調整できます。まずは枕に寝てみて、どのくらい枕を高くすればよいか見当をつけましょう。次いで、適した高さになるようバスタオルをたたみます。たたんだバスタオルを枕の下に置き、実際に寝てみて、理想の高さになったかどうかを確認してください。高すぎる、あるいは低すぎる場合、バスタオルのたたみ方を変えて高さを調整します。
ただし、この方法は、枕が高すぎる場合には使えません。高すぎる枕は中材を減らして調整するか、中材が減らせないものは買い換えを検討しましょう。
〇 枕と肩の位置を調整する
枕が合わないのは、枕と肩の位置がずれているためかもしれません。横になってから、枕と肩が接しているかを確認しましょう。もし位置が離れていたら、枕を肩側へずらし、首をしっかり枕で支えられるよう調整してみてください。
枕は本来、首と肩の隙間を埋めるように置くことが理想です。頭だけを枕に乗せ、首に枕がない状態では、首への負担が大きく「枕が合わない」と感じてしまうでしょう。
定期的に枕を見直す重要性
枕は定期的に見直すことが理想です。しばらく「枕が合っているかどうか」について考えていなかった場合は、ぜひこの機会に、枕が自分の寝姿勢にフィットするかを確認してみてください。
枕を購入する際にデザインや知名度だけで選んだり、誰かにもらった枕を使ったりしているケースでは、自分に合わないことがよくあります。また、枕には寿命があるため、使っているうちに変形し、合わなくなっていくこともあるでしょう。
常に快適な寝心地を維持するには、定期的な枕の見直しが欠かせません。
自分に合う理想の枕の選び方
理想の枕を選ぶには、自分の体型に合わせた高さやサイズ、好みに合った素材、形状を把握しておくことが大切です。まずは現在の枕で寝たとき、仰向けなら顔の角度がリラックスして立った状態に近い角度になっているか、横向きなら首から腰まで背骨がまっすぐに伸びているかを確認しましょう。
現在の状態を参考に、枕が高すぎる場合はより低い枕を、低すぎるなら高めの枕を選ぶようにします。また、素材や感触も、今の枕と比較しながら選ぶと理想に近づきやすく、おすすめです。
まとめ
枕が合わないと感じる理由には、首や肩の痛みから、腰の違和感、いびき、熟眠感の欠如まで、さまざまなものがあります。朝すっきりしない、体や頭が痛いといった症状がある場合は、枕の替えどきかもしれません。購入時に理想的だった枕も、時間の経過とともに形が変えるため、枕が合っているかを定期的に確認してください。
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