寝方の種類と特徴とは?寝る姿勢と体調の関係や理想の寝姿勢を保持する寝具の選び方を解説

近年は、睡眠時間を確保するだけではなく、睡眠の質が注目される傾向です。良質な睡眠のためには、理想の寝方を保持することが大切とされています。また、寝方は体調との関係性もあるため、寝方の種類や特徴を知っておくことも大事です。
本記事では、理想の寝方を種類に分けてメリットやデメリットなどを紹介します。寝方に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
快眠につながる理想の寝方とは?
理想とする寝方は、正常立位姿勢の背骨を保てるような寝姿勢です。正常立位姿勢とは、人がまっすぐに立っている姿勢で、この姿勢を保つ寝姿勢が理想の寝方となります。寝方には仰向け寝、横向き寝、うつ伏せ寝があり、それぞれ理想の寝姿勢が異なります。
仰向けで寝る場合は、背骨がなだらかな状態でありS字状のカーブが理想です。横向き寝(左右ともに)の場合は、腰から首にかけて背骨のラインがまっすぐな状態が目安で、首や肩への負担を軽減できるでしょう。
【寝方の種類別】特徴・メリット・デメリット
寝方には種類によって特徴があります。その種類ごとに、メリットやデメリットも異なるためここで紹介します。
〇 仰向け寝
仰向けは、直立歩行である人間の姿勢を考慮すると理想的な寝方であり、日本人に多い平たい体格の人に適した寝方です。体全体で体重の圧力を支えるため、体への負担が少なくなります。
手足を動かしやすいことから、体液(血液・リンパ液など)の循環が良くなるため筋肉がこりにくくなります。そのため、横向き寝と違い一部分に体圧がかかりにくいことから、肩こりや腰痛などの予防が期待できるでしょう。一方で、いびきをかきやすく、反り腰の方には腰への負担が大きくなりやすいデメリットがあります。
〇 横向き寝(右向き・左向き)
横向き寝は、太っている人や持病があって気道が狭くなっている人に適した寝方です。横向きの寝姿勢は、舌が喉に落ち込みにくいことから、呼吸がしやすくなり、いびきに悩んでいいる方におすすめです。
また、向きによっては臓器に負担がかかりにくいことも横向き寝のメリットです。例えば、左向きの寝姿勢は、消化器への負担が軽減されるといわれています。一方デメリットは、仰向け寝よりも筋肉のコリや冷えの原因となりやすいことです。また、左右のどちらか同じ方向で寝ていると体の歪みが生じやすくなります。
〇 うつ伏せ寝
うつ伏せ寝は、背骨や首が捻れるため、体の歪みが生じやすいのが難点ですが、お腹が温められるためリラックスしやすくなり、安心感を得られやすいことが特徴です。また気道の妨げが少ないため、いびきをかきにくい寝姿勢です。
うつ伏せ寝のメリットは、すでに述べたようにリラックスしやすいことと、いびきをかきにくいことです。デメリットは、首に負担がかかりやすく、顎関節症になるリスクやむくみの原因にもなりやすいことなどが挙げられます。
〇 シムス位(妊婦さん向け)
シムス位とは、妊婦さんに適した以下のような寝方です。
- 左側を下にしてややうつ伏せ気味に寝る
- 右足を曲げて左足より前に出し、クッションなどに載せる
- 右手を前に出して楽な位置に置く
- 左手を体の後に出して楽な位置に置く
お腹が大きくなって寝苦しくなる妊婦さんは多いため、産婦人科などでおすすめの寝姿勢としてシムス位を紹介しています。ただし、個人差があるため、シムス位で寝苦しさを感じる場合は無理をしないようにしましょう。
シムス位のメリットは、胃腸の負担を軽減することや腰への負担軽減が期待できることです。デメリットは、長時間になった場合に、腕や腰などが圧迫されることになります。体圧分散のために抱き枕を使用することをおすすめします。
体調や心理状態別のおすすめの寝姿勢
体調が思わしくなかったり、心理状態が不安定だったりする際におすすめの寝方を状況別に紹介します。
〇 腰痛があるとき
腰痛で夜中に目が覚めたり、寝不足になったりするケースが多くあります。その場合は、痛みを和らげるために、足の間にクッションや抱き枕を挟むことを試してみましょう。横向きに寝て、クッションや抱き枕を挟むことで腰と足の高さが水平になり、負担が軽減されるかもしれません。
また、タオルを三つ折りにして腰の下に敷くと、敷き布団との隙間が埋まり、腰の筋肉が緊張しにくくなります。
〇 肩こりがつらいとき
肩こりがつらい場合は、仰向けに寝ることをおすすめします。仰向け寝は背骨がまっすぐになり、自分の体重を分散しやすくなります。また、仰向け寝は左右に寝返りを打ちやすいため、肩や首への負担を軽減できるでしょう。
一方で、横向きやうつ伏せ寝は、首や肩に負担がかかりやすくなるため、肩こりがつらいときは避けましょう。
〇 いびきが気になる・呼吸が苦しいとき
いびきが気になったり、気道が狭くなっていて呼吸が苦しくなったりする際には、横向きの寝方を試してみましょう。横向き寝は、喉の方へ舌が落ちにくく気道が確保しやすいため、いびきをかきにくくなります。それにより呼吸の苦しさも軽減される可能性があります。ただし、長時間の横向き寝は首や肩に負担がかかりやすいため横向き寝専用の枕や、抱き枕を使用するとよいでしょう。
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〇 疲れを取りたいとき
体の疲れを取りたいときは、仰向け寝がおすすめです。仰向け寝は、自分と寝具との接地面が広いため、体重を分散しやすくなります。どこか1か所に体重がかかることがなく、熟睡しやすい寝姿勢です。
なお、理想の寝姿勢は、リラックスしてまっすぐ立った状態をそのまま横にした姿勢です。仰向け寝で寝ることで、理想の寝方を実現できます。
〇 食べ過ぎたとき
食べ過ぎたときには、体の右側を下にして横向きの寝方で寝るのがおすすめです。右向きの寝方は、胃の向きに沿っているため消化促進が期待できます。ただし、食後すぐに寝ることは避けて、2~3時間あけて消化が行われてから寝るようにしましょう。
また、食べ過ぎて気持ちが悪くなった場合は、座った状態ではお腹が圧迫されてしまいますが、完全に横になると胃酸が逆流して、さらに気持ち悪くなることがあります。このケースでは、上半身をやや起き上がらせた状態で横になって休みましょう。
〇 落ち着かない・不安な気持ちのとき
落ち着かなかったり、不安な気持ちで眠りにくかったりする場合は、うつ伏せ寝を試してみましょう。うつ伏せ寝は、お腹が温まりやすいためリラックスにつながり、安心感を得られるケースがあります。またストレスや不安をかかえている時はうつぶせ寝になりやすいと言われています。
ただし、うつ伏せ寝は顔を左右どちらかにひねった状態になるため、首や肩への負担が大きい寝姿勢です。また、胸部圧迫などによりリンパの流れを妨げる可能性もあります。そのため、長時間のうつ伏せ寝は避け、入眠時だけにするなどの工夫が必要です。
理想の寝方ができる自分に合った寝具の選び方
理想の寝方を実現するためには、自分に適した寝具を選ぶことが大事です。ここでは、寝具の選び方を紹介します。
〇 理想の寝姿勢を保持できる枕
枕選びでは、理想の寝方を保てるかどうかが重要です。枕選びには、「理想の高さ」「感触を知る」「悩みから選ぶ」の3要素があります。理想の高さは人によって異なり、一般的にはリラックスして立っているときの顔の角度(約5度)をキープできる高さです。
感触を知ることは、枕の素材を知ることになります。さまざまな素材のなかから、感触、音、香りなど自分の好みを探しましょう。悩みから選ぶ場合は、肩こりや腰痛、いびきなど自分の悩みを軽減できる枕選びが重要です。
〇 寝返りしやすいマットレス
マットレスを選ぶ際は、寝返りが打ちやすい弾力性があるものを選ぶようにしましょう。寝方は自分の好みがあり人それぞれですが、寝返りは睡眠時に無意識で行います。寝返りは、血液循環を促したり、体をほぐしたりすることが目的で、一晩に約20~30回は寝返りをするといわれています。
睡眠の質を高めるには、寝返りが重要です。そのため、体圧が分散できて、スムーズに寝返りできるマットレスを選ぶことが大切です。寝返りをサポートしてくれるマットレスを選ぶことで、睡眠の質改善に役立つでしょう。
カップルや2人で寝る場合の寝方のポイント
カップルや2人で寝る場合、1つのベッドで寝る、2つのベッドを連結する、別々に寝るなどの方法があります。1つのベッドや布団で寝る場合は、2人とも仰向けで寝たり、お互いが向かい合ったり反対を向いたりなど、さまざまな寝方を試してみましょう。
なかには、お互いに寝返りが自由にできないケースや、寝つきの向きなどが理由で自由がきかないケースがあるかもしれません。その場合は、別々のベッドで寝たり、それぞれに掛け布団を用意したりするなどの方法があります。カップルや2人で寝る際には、お互いが快適に眠れるように工夫しましょう。
まとめ
人にはそれぞれに好みの寝方がありますが、人によってはそれが快眠につながっていないかもしれません。寝方には、仰向け寝や横向き寝、うつ伏せ寝などの種類があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。また、体調や心理状態によっておすすめの寝姿勢もあるため、そのときの自分に適した寝方を選ぶように心がけましょう。特に、寝始めの姿勢を安定させることは快眠につながります。
理想の寝姿勢を実現するためには、寝具選びも重要です。ぜひ、枕専門店ロフテーの枕を体験してみてください。すべてが寝ている間の姿勢を考え開発された分割構造です。使ったその夜から眠りの深さを体感できるでしょう。