低反発ウレタン枕は洗濯できる?劣化を防ぐ対処法と快眠のためのお手入れ方法を解説

健康や美容のために大切な睡眠において、枕は必須アイテムです。さまざまな素材を使った枕がありますが、低反発枕を使っている場合は汚れが気になる人も多いでしょう。この記事では、低反発枕が洗濯できない理由、汚れたときの対応方法、もし洗ってしまった場合の対処法などについて解説します。低反発枕をお手入れする際の参考にしてください。
低反発枕が洗濯できない理由とは?
低反発枕はウレタンを使用しています。基本的にウレタンを使用した枕は洗濯できません。主な理由は以下のとおりです。
〇 低反発ウレタン素材の性質
ウレタン素材は、スポンジ状のため水分を吸収できますが、かたい膜があるため、水分を通しにくい素材になっています。洗濯すると水はけが悪くなり、スポンジ内の空洞に水分が溜まり、ずっしりと重くなって乾きにくい状態が続きます。完全に乾くのには、季節によって異なりますが1週間程度かかるでしょう。
低反発枕が完全に乾くまでに時間がかかるため、枕が濡れたままの状態が続くと、カビ、ダニ、雑菌が繁殖するリスクが高まるので注意が必要です。臭いの原因にもなるので、衛生的にも洗濯するのはおすすめできません。
〇 洗濯すると硬さが変わる
ウレタン素材は水分を含むと素材が変質して、ちぎれる、ボロボロと崩れる、硬くなるなどの原因を引き起こす加水分解という化学反応を起こします。一度硬くなってしまった枕は、以前のような弾力性に戻りません。加水分解によって変形することもあるので、洗濯はできないといわれています。
低反発枕が汚れたときの対応方法
枕は清潔に保つことが必要です。低反発枕は洗濯できない素材ですが、汚れた場合は以下のような方法でお手入れしましょう。
〇 枕カバーを外す
低反発枕は洗濯できない素材のため、普段から枕カバーをつけておくことがおすすめです。枕カバーが汚れた場合は枕カバーを外し、カバーを洗濯するだけでよいでしょう。
汗をかきやすい夏は、枕カバーを2~3日に1回程度、最低でも週に1回は洗濯することをおすすめします。枕カバーは洗濯表示を確認してから洗います。乾燥機に入れると生地が縮んで枕が入らなくなってしまうことがあるので注意が必要です。
〇 固く絞ったタオルでふき取る
枕カバーを外したときに、汚れが枕本体についているときや枕の黄ばみなどが気になる場合は、よく絞ったタオルで拭き取ることをおすすめします。以下のような手順でお手入れするとよいでしょう。ただし、劣化につながる可能性があるため、一度メーカーへご確認いただいてからお手入れをしてください。
- 40℃程度のぬるま湯を準備し、おしゃれ着洗い用の中性洗剤を大さじ1混ぜる
- タオルを浸して固く絞る
- 枕の汚れや黄ばみ部分を上から軽く叩く(ゴシゴシとこすらない)
- タオルをすすいで洗剤を入れていない水に浸して固く絞る
- 3の洗剤を落とすように軽く叩いて汚れを吸い取る
- 濡れていない清潔なタオルでしっかりと水分を拭き取る
〇 陰干しする
枕本体の汚れを落としたときは、タオルで水分を拭き取っても若干の水分が残ります。最後に風通しのよい場所で陰干しして、完全に水分を飛ばしましょう。枕を濡れたままにしておくと、カビや雑菌が繁殖するリスクが高まるので注意が必要です。なお、ウレタン素材は紫外線に弱いので、天日干しではなく陰干ししましょう。
洗えない低反発枕の日常的なメンテナンス方法
低反発枕が洗濯できない理由や汚れてしまったときのお手入れ方法をご紹介しました。以下は日常的に行えるメンテナンス方法です。日頃からお手入れをすることで、清潔さを保てます。
〇 風通しのよい場所で陰干し乾燥させる
人は寝ている間に多くの汗をかきます。低反発枕にも湿気がこもってしまうので、陰干しすることで劣化原因にもなる湿気を取り除けます。風通しのよい室内か屋外の日陰で陰干しして乾燥させましょう。型崩れを防止するには、枕専用ハンガーや平干し用ネットの利用がおすすめです。両面がしっかり乾くように、上下左右をひっくり返すとよいでしょう。
〇 枕カバーをこまめに洗濯する
ウレタン製枕は先述したとおり枕本体の洗濯ができないため、枕カバーをつけて汚れから保護します。枕カバーには汗だけではなく、皮脂やフケなども付着するので、こまめな洗濯を心がけましょう。枕カバーを洗濯せずにそのままにしておくと、汚れが枕本体に染み込みます。
雨の日などは枕カバーが完全に乾かないケースもあります。乾燥機に入れると縮んでしまうことがあるので、枕カバーは枕ごとに2~3枚ずつ準備しておくと安心です。
〇 除菌・消臭スプレーを使用する
枕カバーを洗濯しても臭いが気になるときは、除菌・消臭スプレーを利用するのもおすすめです。除菌・消臭スプレーの多くは、臭いの元を乾くときに包み込んで蒸発させる特性があります。スプレーをかけたら扇風機の風を当てるなどの方法で、素早く乾燥させましょう。
水分が残ると劣化の原因にもなります。完全に乾燥させるため、陰干ししてしっかり水分を飛ばしましょう。
低反発枕を洗濯してしまったときの対処法
低反発枕をうっかり洗濯してしまった場合は、以下のように対処することで劣化を最小限に抑えられるケースもあります。なるべく脱水前に早く対処することが大切です。
〇 洗濯機から丁寧に取り出し、カバーをかける
ウレタンは水に濡れた状態だと強度が弱くなります。脱水の工程に入るとさまざまな方向から力が入り、ボロボロになってしまうことがあるので、脱水前に取り出しましょう。水を含んだウレタンは、たっぷりと水分を吸収して重くなり、引き上げるとちぎれることがあります。まずはカバーをかけて型崩れやちぎれを防止します。
カバーをかける際は無理矢理押し込むと型崩れの原因になるので、丁寧に入れることをおすすめします。
〇 やさしく押し出し、水分を抜く
カバーをかけた状態で、洗面所や風呂場に移動し、手で水分を押し出すように上からゆっくり押しましょう。強く押したりねじったりすると型崩れやちぎれの原因になります。全体に圧力がかかるようにゆっくり水分を押し出します。押しても水分が出てこなくなったら、乾いたタオルに包んでやさしく押し、表面の水分を吸い取りましょう。
〇 陰干しで乾かす
風通しのよい場所に移動し、陰干ししましょう。枕専用ハンガーや平干し用ネットを使って吊り干しします。両面がまんべんなく乾くように、時々ひっくり返すことをおすすめします。季節や天気にもよりますが、完全に乾燥させるのには1週間程度かかります。
干しっぱなしにしておくと、夜間に雨が降ったときに再度濡れてしまうので、夜は室内の風通しのよい場所に移すことをおすすめします。急いで乾燥させたい、早く使いたいという場合でも、直射日光に当てると変形や硬化の原因になるので注意しましょう。
〇 元に戻らない場合は買い替えを検討する
長期間陰干しをしても中に水分が残ったままになり、元に戻らないケースもあります。濡れたまま使い続けるのは、カビ・ダニ・雑菌繁殖のリスクが高まるためおすすめできません。また、弾力が変わったり、枕が硬く感じたりすることもあるでしょう。もし、元に戻らない場合は、寝心地にも影響するため、買い替えを検討することをおすすめします。
洗える低反発枕もある
一般的な低反発ウレタン枕は、基本的に洗濯できません。ただし、洗えるタイプの低反発枕も販売されています。洗える低反発枕は、水分の通過を阻害する膜を破裂させる「無膜ウレタン」「爆膜ウレタン」などの加工を施しているため、洗濯が可能です。
ただし、洗える枕でも取り扱い説明書や洗濯表示は必ずチェックしましょう。誤ったお手入れ方法では枕を劣化させてしまいます。タンブラー乾燥機のマークが付いている場合は、乾燥機の使用も可能です。
枕を洗濯機で洗う際は、そのまま洗うと枕本体の中身が飛び出してしまうケースがあります。必ずネットに入れて洗濯しましょう。洗える枕でも頻繁に洗濯するとウレタンの密度が下がり、劣化につながります。取り扱い説明書に書かれた頻度での洗濯がおすすめです。
まとめ
低反発枕はフィット感があり、快適に眠ることができます。しかし、熱がこもりやすい素材のため夏は熱く感じるというデメリットもあります。また、洗濯ができないため、日常的にメンテナンスを行う必要があります。この記事では、低反発枕が洗濯できない理由をはじめ、汚れたときの対応方法や日常的なメンテナンス方法、万が一洗ってしまったときの対処法などを解説しました。低反発枕のお手入れの参考にしてください。
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