夜中に目が覚めるのはなぜ?原因別の対処法と快眠のための習慣を解説

夜中に目が覚めて、その後なかなか寝付けないと悩んでいませんか。その原因は精神的な悩みから生活習慣、寝室環境まで多岐にわたります。この記事では、考えられる原因と具体的な対処法、予防策を解説します。不眠のサインや放置リスクも知り、快適な眠りを手に入れましょう。
夜中に目が覚めてしまうおもな原因
夜中に目が覚める現象は「中途覚醒」と呼ばれます。おもな原因を以下で解説します。
〇 精神的な負担や悩み
精神的な負担や悩みも、中途覚醒を引き起こす要因の1つです。通常、睡眠時は心身をリラックスさせる副交感神経が優位になります。しかし、精神的な悩みがあると、活動を促す交感神経の働きが活発になり、寝つきが悪くなったり、眠りが浅く途中で目が覚めやすくなったりする傾向があります。
〇 寝室の光・音・温度などの環境要因
寝室の環境も、睡眠の質を大きく左右します。騒音や、明るすぎる光、不快な温度・湿度などは、安眠を妨げる要因です。また、一緒に寝ている人のいびきや歯ぎしりなどが原因で、途中で目が覚めてしまうこともあるでしょう。これらの環境要因が睡眠を浅くし、夜中に目が覚める場合があります。
〇 夜中にトイレに行きたくなること
夜中にトイレで目が覚めるのは、中途覚醒のよくある原因の1つです。日中の水分やアルコールの摂りすぎ、加齢による膀胱機能の低下は、就寝中の尿意につながり睡眠を妨げます。また、血流を促す目的で過度な水分摂取や、糖尿病などの影響も考えられます。
〇 昼寝の長さや時間帯の問題
長すぎる昼寝や夕方以降の仮眠は、夜間の睡眠の質を下げ、中途覚醒の原因となることがあります。特に高齢の人は、昼夜のメリハリがつきにくく、日中に眠気を感じ昼寝をしがちですが、それが夜中に目覚める要因になることもあるでしょう。睡眠不足時の適切な昼寝は役立つこともありますが、まずは夜の睡眠時間を確保することが重要です。
〇 コーヒー・お酒・タバコなどの摂取
コーヒーやお茶に含まれるカフェインには覚醒作用があり、睡眠を妨げる恐れがあります。アルコールは一時的に寝つきを助けることがありますが、体内での分解時に生じる物質や利尿作用が影響し、中途覚醒を招くことがあります。タバコに含まれるニコチンも覚醒作用を持つ成分の1つとされており、睡眠の質を低下させる傾向があるといわれています。
〇 日中の活動量が少ないこと
日中の活動量が少ないことも、夜中に目が覚める原因となるでしょう。質の高い睡眠を得るためには、日中の適度な運動が大切です。身体を動かして心地よい疲労感を得ることで、夜の眠りが深くなる傾向があります。ただし、極端な疲労は逆に寝つきを悪くすることもあるため、注意してください。
〇 服用している薬の影響
服用している薬の影響で、夜中に目が覚めやすくなることがあります。例えば、ステロイド剤やβ遮断薬、気管支拡張薬に使用されるテオフィリンなどは、副作用として睡眠を妨げる可能性があることが知られています。これらは医師の処方が必要な薬です。もし薬を飲み始めてから眠りが浅くなったと感じた場合は、自己判断せず、医師や薬剤師に相談しましょう。
〇 加齢による睡眠の変化
加齢に伴い、日中の活動量低下や頻尿が中途覚醒の原因となる場合があります。また、加齢により睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌量減少も、睡眠リズムに影響を与える可能性があるでしょう。これらは生理的な変化と考えられますが、治療や生活習慣の見直しによって、よりよい睡眠につながる可能性があります。
〇 病気や体調不良
睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群、概日リズム障害、睡眠麻痺(金縛り)などは、睡眠を妨げ、中途覚醒の要因となることが考えられます。また、喘息や胃食道逆流症、糖尿病、高血圧、うつ病といった一見無関係に思える病気も、眠りの質に影響を与え、夜中に目が覚めやすくなる原因となる場合があるとされています。
夜中に目が覚めるのは不眠症のサインかも
夜中に目が覚めて、日中の集中力低下や倦怠感など生活に影響があれば、不眠症のサインかもしれません。
〇 途中で起きてしまう「中途覚醒」とは
中途覚醒とは、眠りについてから朝になるまでに、意図せず何度も目が覚めてしまう睡眠障害の1つです。健康な人でも経験することがありますが、すぐに再入眠できれば特に問題視されません。しかし、一度目が覚めると寝付けなかったり、寝てもすぐに起きてしまったりする場合は、中途覚醒に該当すると考えられます。
〇 不眠症のおもな4つのタイプ
不眠症はおもに4つのタイプに分類されます。夜中に何度も目が覚め、再入眠が難しい「中途覚醒」は高齢者に多く、布団に入っても2時間以上寝付けない「入眠障害」は精神的要因が関係しているとされています。
睡眠時間は充分でも満足感がない「熟眠障害」は睡眠の質に問題があるケースです。予定より2時間以上早く目が覚める「早朝覚醒」は、高齢者やうつ病の人に多く見られる現象といえるでしょう。
夜中に目が覚めてしまったときの対処法
夜中に目が覚めてしまっても、焦る必要はありません。落ち着いて試せる簡単な対処法を紹介します。
〇 「眠れない」と考えすぎない
夜中に目が覚めたときに、「また眠れないのでは」と考えすぎると、その不安が新たなストレスとなり、かえって目がさえてしまうことがあります。「今日たまたま目が覚めただけ」と気楽に構えてみましょう。気にしすぎないことで、自然と再び眠りにつけるかもしれません。
関連記事:いろいろ考えすぎて眠れない原因と対処法!脳を休めるコツと快適な睡眠環境の作り方を解説
〇 安眠につながるツボを刺激する
夜中に目が覚めてしまったら、寝床にいながら安眠につながるツボを刺激してみましょう。例えば、首や肩の緊張を軽減し血行を促進する「風池(ふうち)」、足が冷えて眠れないときには足の血流を促し身体を温める「八風(はっぷう)」、心を落ち着かせ穏やかな眠りへと導く「内関(ないかん)」などを押してみるのがおすすめです。
また、「安眠(あんみん)」は「耳の後ろを触ると骨が出っ張っている部位の下側には、くぼみがあり、その1〜1.5cmほど下にある」ツボです。その名の通り副交感神経を優位にして眠気を誘うツボともいわれています。
関連記事:眠くなるツボ13選!耳、手、足のツボのほか、ツボ押しのコツやおすすめ快眠法も紹介
〇 眠れそうになければ一度寝床を離れる
眠気が訪れず目がさえてしまったら、無理に寝ようとせず、一度寝床から離れて気分転換を試みましょう。例えば、少し薄暗い部屋でリラックスできる音楽を流すなど、穏やかに過ごせることを試してください。自然な眠気が訪れたら、改めて布団に入りましょう。
〇 ゆっくりと呼吸を整えリラックスする
深呼吸は、心身をリラックスさせる副交感神経の働きを高め、穏やかな眠りへと導く効果が期待できます。布団のなかで、まずは10回程度、ゆっくりと呼吸を繰り返してみましょう。焦らず落ち着くことが大切です。
夜中に目が覚めるのを減らすための生活習慣
夜中に目が覚める原因は寝室だけとは限りません。日常生活の工夫で、夜中の目覚めを減らしましょう。
〇 寝室環境を整える
質の高い睡眠には、心身のリラックスが欠かせません。就寝の約1時間前には仕事や家事から離れ、音楽やアロマなどで自分に合った寝室環境に整えましょう。明るい照明は覚醒を促すため、寝る前から部屋を暗めにすることも質のよい睡眠につながります。
〇 寝る前のスマートフォンやパソコンは控える
スマートフォンやパソコンの光は覚醒を促し、その結果、体内時計を調節しているメラトニンの分泌が低下します。特にSNSやゲームは脳を興奮させるといわれています。就寝の約1時間前からは使用を控えましょう。
特に夜間帯にスマートフォンやパソコンのディスプレイから発光されるブルーライトを浴びると、体内時計がずれ、寝つきが悪くなることが分かっています。夜中にスマートフォンやパソコンを触らないように、寝室とは別の場所に置くのも有効です。
〇 入浴は早めに済ます
湯船に浸かる入浴は血行を促し、副交感神経を優位にしてリラクゼーション効果が期待できます。入浴後の体温低下が眠りを誘うため、就寝の約1~2時間前までに入浴を済ませておくのが理想的です。シャワーだけの場合よりも疲労回復しやすいとされており、薬用入浴剤も活用することでよりリラックスできるでしょう。
〇 食事で睡眠の質向上
質の高い睡眠には、必須アミノ酸のトリプトファンが重要な役割を果たすといわれています。トリプトファンは、肉・魚・大豆製品・乳製品・卵・ナッツ類などに多く含まれます。朝食で意識してタンパク質を摂取することで、快眠を促しましょう。
〇 昼寝は長くても15〜30分程度にする
日中の眠気対策に昼寝は有効ですが、長く寝すぎたり、夕方以降に寝たりすると夜の睡眠に影響することもあります。昼寝は午後3時までに15~30分程度とし、毎日同じ時間に昼寝をする習慣をつけるとより効果的です。
〇 ストレスを軽減してリラックスする
日々のストレスは睡眠の質を大きく左右します。ストレスがたまると寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりしやすくなり、それがさらなるストレスを生む悪循環に陥ることもあります。ストレスを完全に避けるのは難しいですが、上手に発散し、リラックスすることでストレスをため込まない工夫が大切です。
〇 規則正しい生活リズム
快眠への近道は規則正しい生活です。起床・就寝、食事の時間を一定にし、夜はリラックスしましょう。日中の適度な活動による心地よい疲労も大切です。日中の過ごし方が睡眠の質を左右するといわれています。
不眠症を放置する影響
夜中に目が覚めるなど睡眠の悩みは、身体からのSOSかもしれません。放置は禁物であり、さまざまな不調につながるなど、健康への影響が懸念されます。
〇 うつ病や不安障害などの恐れがある
夜中に目が覚めるなどの不眠状態が続くと、将来的にうつ病を発症するリスクが高まります。睡眠不足は日中の疲労感やイライラ、気分の落ち込みを招き、それが慢性化することで、うつ病へと進行しやすくなるのです。さらに、過度な不安から他の精神疾患につながる恐れも指摘されています。
〇 生活習慣病(糖尿病・高血圧など)のリスクが高まる
睡眠不足が続くと、糖尿病や高血圧などの生活習慣病リスクが上昇します。糖尿病は、睡眠不足により血糖値を下げるインスリンの働きが悪くなることで発症しやすくなります。また、高血圧は、睡眠中に血圧が充分に下がらない状態が続くことで引き起こされ、他の病気につながる恐れもあるため注意が必要です。
まとめ
夜中に目が覚める原因は、ストレスや生活習慣、寝室環境などさまざまです。目が覚めても焦らずリラックスし、日頃から快眠習慣を意識しましょう。快適な睡眠には、身体に合った枕選びも欠かせません。睡眠の質を高めるために、枕を見直してみてはいかがでしょうか。
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