枕に乾燥機は使える?枕を乾かす乾燥機の正しい使い方や清潔に保つ洗濯・お手入れ方法を解説

枕のお手入れで気になるポイントのひとつが、乾燥機にかけられるかどうかです。この記事では、枕に乾燥機は使えるのか、使える場合はどのような点に注意すればよいのかを解説します。また、清潔な枕で毎日気持ちよく眠るために意識したい、枕の洗濯方法や日常的にできるお手入れ方法なども紹介するので参考にしてください。
枕に乾燥機は使える?
季節や天候によっては、天日干しだけで枕を中心部まで乾燥させられないことがあります。通常の洗濯物であれば乾燥機で乾かせますが、枕の場合は乾燥機が使えるものと、使えないものがあります。
〇 洗濯表示タグに「乾燥機OK」表示があるか確認
お手持ちの枕を乾燥機にかけられるかどうかは、洗濯表示タグに表示されています。乾燥に関する洗濯表示タグは「高温80℃まで」「低温60℃まで」「タンブラー乾燥機不可」の3種類です。
対応できるかどうかは、取扱説明書や温度表示をチェックしてみましょう。ちなみに、一般的な温度は、ヒートポンプ式なら60℃程度、ヒーター式なら80℃程度です。ただし、破損している部分があるなど、状態がよくない枕は使用を控えた方が無難です。
枕を乾燥機にかける際のポイント・注意点
乾燥機が使用できる枕でも、実際に使用する際は以下の2点を意識してみてください。
〇 ダニ退治に必要な乾燥時間と効果的な使用法
人間のフケや皮脂、ホコリをエサとするダニは、気温25~30℃かつ湿度が60%以上の環境になると繁殖しやすいといわれています。枕は寝ている間にフケや皮脂が付着し、さらに体温や寝汗によって温度と湿度が上昇するため、ダニが繁殖しやすい環境になります。
ダニを退治するために活用できるものが乾燥機です。ダニは50℃以上の熱を20~30分加えることで退治できるといわれています。一般的な家庭用乾燥機の温度は50℃以上になるため、家庭でもダニ対策が可能です。
ダニ退治に必要な時間は20~30分といわれていますが、枕の中心部まで対策できるよう、1時間程度は乾燥機にかけることをおすすめします。
〇 油分が含まれた枕を乾燥機に入れると燃える可能性がある
油分が含まれた衣類や枕を乾燥機にかけると、燃える可能性があるため注意しなければなりません。通常の使い方をしている場合は基本的に問題ないものの、何らかの理由で油分がついてしまった場合は、燃える可能性があります。
たとえば、油分が含まれる整髪料を使用しており、朝にシャワーを浴びるため洗髪しないで寝る人や、洗い流さないタイプのオイルトリートメントをつけて寝る人などです。枕に油分がついている可能性がある場合は、枕をきれいに洗って油分を落としてから使用しましょう。心配な場合は、乾燥機の使用は控えた方が安心です。
枕の洗い方とお手入れのポイント
枕は手洗い、もしくは洗濯機を利用して洗う方法があります。どちらで洗うかは、枕の種類やサイズなどを考慮して選びましょう。ここでは、それぞれの基本的な洗い方と洗う際のポイントを解説します。
〇 手洗いする場合の洗い方とポイント
手洗いする場合は、水またはぬるま湯、中性洗剤を用意します。手荒れが気になる人や肌が敏感な人は、ゴム手袋を着用してから作業を始めると安心です。
まずは枕のサイズに応じて洗面台や洗面器、浴槽に水かぬるま湯を溜め、中性洗剤を入れたらよく混ぜて溶かします。洗剤が溶けたら枕を入れて、まんべんなく揉むように押し洗いしていきます。洗い終わったら流水で泡が出なくなるまでしっかりすすぎ、枕から水を出すイメージで両手を使って押しながら脱水すれば作業は終了です。
最後は中身を均一にして、乾燥機が使用可能な枕は乾燥機で、使用不可の表示がある枕なら外干しをします。外干しの場合は、しっかり乾燥するまで数日かかることがあります。バスタオルで枕を包み、ある程度水気を取っておくと乾燥時間の短縮が可能です。
〇 洗濯機を利用する場合の洗い方とポイント
洗濯機を利用する場合は、洗濯ネットに枕を入れてから洗います。洗濯コースは枕が傷まないように弱水流やおしゃれ着コースなどを利用した方が安心です。洗剤が残らないように、すすぎは2回以上に設定しておきましょう。
長期間洗濯していない枕は、アルカリ性の粉末洗剤をぬるま湯に溶かし、30分程度つけ置きしてから洗濯機を利用します。枕の中材により使用ができない枕もありますのでご注意ください。
ただし、洗濯機のなかには枕の洗濯を禁止しているものもあるため、取扱説明書をチェックしておきましょう。また、枕のサイズが大きかったり、吸水しやすい素材だったりすると、正常に動かなくなる可能性があります。心配な場合は、手洗いをおすすめします。
枕を洗濯する際の注意点
枕を洗濯する際は、洗濯表示タグや素材の種類のチェックが必要です。また、洗濯機を利用する場合は、洗濯ネットを使用することを忘れてはいけません。ここでは、枕を洗濯する際の注意点を解説します。
〇 洗濯表示タグを確認する
枕を洗う場合は、洗濯表示タグをチェックします。洗濯表示タグには洗濯機使用の可否や洗濯する際の条件、自然乾燥の方法など、詳細な情報が記載されています。洗濯機が使用できるものでも、高温で通常通り洗濯できるものから、ぬるま湯で弱く洗濯しなければならないものまでさまざまです。
なかには手洗いのみ可能なものや、家庭では洗濯できないものもあります。また、一般的には洗濯可能とされる素材でも、種類によっては洗濯不可とされている枕もあるため、洗濯表示タグのチェックは必須です。
〇 素材の種類をチェックする
素材によって家庭で洗濯できるか、どのように乾燥させればよいのかは異なります。そのため、素材の種類もチェックしましょう。
一般的に家庭で洗濯できる素材は、パイプ・ポリエステルわたなど、洗濯できない素材は、ウレタン・そばがら・羽毛などです。なお、ビーズには洗えるものと洗えないものがあります。
天日干しできる素材はパイプ・ポリエステルわた・そばがらなど、陰干しが向いている素材はウレタン・羽毛・ビーズなどです。
〇 洗濯機を使う際は必ずネットに入れる
洗濯機で洗う場合は、枕を必ずネットに入れることもポイントです。そのまま洗濯機に入れてしまうと、途中で枕の中身が飛び出したり、ファスナーなどが洗濯槽に引っかかったりする可能性があります。
万が一、枕の中身が飛び出ると洗濯機が故障してしまうこともあるため、中身が飛び出さないように、目の細かいネットを使用することがおすすめです。洗濯ネットに入れていても、異音が聞こえた場合は、一旦ストップして洗濯槽を確認します。
そもそも枕は定期的に洗濯するべき?
「枕カバーを使用しているから枕本体は汚れない」「毎日寝る前に洗髪しているから汚れないはず」と考える人もいるかもしれません。しかし、見えない汚れがついている可能性があるため、洗濯可能の表示がある枕は定期的に洗った方がよいでしょう。
〇 汚れの蓄積や雑菌繁殖の原因になる
枕本体に頭を直接乗せていなくても、就寝中に分泌された汗や皮脂は、枕カバーを通して浸透していきます。汚れは少しずつ蓄積していくだけでなく、そのまま使用し続けると雑菌が繁殖しやすい環境になります。
髪の毛が生乾きの状態で寝がちな人も注意が必要です。枕に雑菌が繁殖しやすいだけでなく、湿気がこもってカビが発生する恐れもあるからです。
汚れや雑菌が繁殖した枕を使用していると、皮膚トラブルを招く可能性があります。枕は定期的に洗って清潔に保ちましょう。
〇 悪臭の原因になる
枕に雑菌が繁殖したり、雑菌に汗が混ざったりすることで悪臭が発生します。また、自分では気が付きにくい加齢臭やミドル脂臭、ストレス臭の蓄積により悪臭になるケースも珍しくありません。加齢臭やミドル脂臭は40代頃から発生するといわれていますが、ストレス臭は年齢や性別に関係なく発生します。
加齢臭は耳や首の後ろなど、ミドル脂臭は後頭部や頭頂部から発生しやすいとされている臭いです。どちらも枕と接する部分なので、臭いが付着しやすくなります。
枕の日常的なお手入れ方法
洗濯できない枕や乾燥機が使用できない枕はもちろん、洗える枕でも、快適な睡眠のためには日常的なお手入れが必要です。ここでは、日常的に意識したい枕のお手入れ方法を解説します。
〇 湿気を取り除くためにこまめに自然乾燥させる
枕を清潔に保つために、湿気対策はこまめに行いましょう。乾燥機が使えない枕でも、こまめに自然乾燥させれば湿気対策ができます。自然乾燥させる頻度は、中材にもよりますが週に1回程度が理想です。先ほど解説した天日干しできる素材であれば日光に当てて、陰干しが向いている素材であれば風通しのよい場所で乾燥させます。乾燥した状態を保つと、臭いやカビの予防にもつながります。
〇 枕カバーを清潔に保つ
直接頭を乗せる枕カバーも定期的に洗って清潔に保ちます。枕カバーを洗濯する頻度は、季節によりますが週に1~2回が目安です。乾燥が間に合わなくても問題ないよう、枕カバーは数枚用意しておくとよいでしょう。
洗えない枕を使用している場合は、枕プロテクターを使用することもおすすめです。枕プロテクターは生地と防水膜の2層構造となっており、汗が枕に侵入することを防ぎます。枕プロテクターをつけた上で、定期的に洗濯をすればより清潔に使用できます。
〇 枕の中材を交換する
枕の中材が劣化してくると寝心地が変わったり、寝返りが打ちづらくなったり、弾力がなくなったりします。そばがらやパイプなど、中材が交換できる素材の場合は、中材を交換することもひとつの手段です。
枕の寿命は平均すると2~3年といわれており、早ければ1年程度でくたびれてしまいます。同じ枕を数年使い続けている場合は、買い替えを検討してみるのもよいかもしれません。
枕の保管方法
毎日使用している枕は、朝起きたら枕元に立てかけたり、ラックに置いたりして湿気がこもらない状態にします。来客用の枕など長期間使用しない枕は、ホコリや湿気の心配がない場所に保管することが理想です。湿気やホコリが多い場所に保管してしまうと、カビやダニが発生しやすくなります。通気性のよい場所を選び、除湿シートやすのこの上に枕を置いて保管するとよいでしょう。
しっかり湿気対策をしても、閉めっぱなしで長期間保管していると、湿度が上がる可能性もあります。定期的に風を通す、枕を干すなどして対策することも大切です。
まとめ
枕を乾燥機にかけたい場合は、洗濯表示タグを確認しましょう。乾燥機が使える条件が異なるだけでなく、そもそも乾燥機の使用が禁止されている枕もあるからです。また、枕を清潔に使い続けるためには、定期的な洗濯や日ごろのお手入れも必要です。買った頃にくらべて寝心地が悪くなってきたと感じた場合は、買い替え時かもしれません。
1928年創業のロフテーは、全国百貨店で実店舗を展開し、一人ひとりのお悩みやニーズに応じた枕を累計350万個販売してきました。2021年からは全ての枕を洗える素材に変更しており、清潔な状態で使い続けられます。実店舗では枕選びのプロがいるほか、パソコンや携帯電話を利用したサポートもご利用いただけます。枕選びはロフテーにお任せください。