快眠できる枕とは? 体に合わせた枕の形状
睡眠に関する悩みは枕が原因? 枕を変えて快眠に
睡眠に関する悩みは、どのような寝姿勢なのかが問題かも?! 枕と肩こり・いびき・首のシワなどの関係を考えてみましょう。
寝姿勢が肩こりの原因? 寝ている間に正しい姿勢を保つには
睡眠に関する悩み、その中でも多いのがつらい肩こり。日本人の10人に1人は自覚症状を持っているといわれています。
そして、この肩こりには、睡眠時の姿勢……つまり“寝姿勢”が大きく関係していたのです。
寝始めは気持ち良く睡眠に入れたとしても、高さや形状の維持が難しい枕を使用している場合、寝ているあいだに“寝姿勢”はどんどん変化してしまいます。正しい“寝姿勢”が崩れてしまったとき、私たちの脳にはある信号が送られていたのです。
寝姿勢の乱れによって、神経が筋肉疲労や筋組織の傷を察知して、脳へ「違和感、発生!」の信号が送られていたのです。それが「コリ」と呼ばれる状態。肩こりの原因の1つだったのです。
では、正しい“寝姿勢”はどのように保つことができるでしょうか。 実は寝ている状態で敷ふとんと頭部・頸部のあいだにできるすき間をできるだけ安定した状態で適度に埋めることが重要だったのです。
そのため枕がとても大切な役割を担います。骨格・体型によって個人差のあるすき間を理想的な状態で埋めるために、一人ひとりに適した枕が求められるのです。
ストレートネックは枕で改善できる? 理想の枕の形状
ところで皆さんは「スマホ首」という言葉を耳にされたことはありませんか?
スマートフォン(通称スマホ)を長時間同じ姿勢で操作するために、酷使されて変形してしまった首の骨(頚椎)のことを示します。もちろん、スマホだけが原因ではなく、パソコンやゲーム機など、様々な状況下で長時間同じ姿勢を維持することが多くなっているため、私たちの首には大きな負担がかかっているのです。
スマホ首は、別名「ストレートネック」と呼ばれています。「まっすぐな首(の骨の形状)の何がいけないの?」と思う人も多いでしょう。5kg〜8kgもある重い頭を支える首の骨は、「S字状」にカーブしています。これによりバネのような役割を果たし、重い首を支えているのです。ですから、まっすぐな首では身体に負荷がかかり、様々な不調を引き起こしてしまう原因となっているのです。
「スマホ首」を避けるためには、正しい姿勢で過ごすことが大切ですが、現代人の日常を考えれば、なかなか難しいといわざるを得ません。そして、首の休息にとって、睡眠時間はとても重要な時間であるといえます。 なぜなら、睡眠時間は首が頭の重みから解放されてたっぷりと休める唯一の時間だから。ただし、正しい“寝姿勢”でなければ、残念ながら首の休息どころか、逆にコリをエスカレートさせてしまうことになりかねません。
そう、正しい“寝姿勢”のためには、頚椎の美しい「S字状カーブ」をキープすることが大切なのです。 ストレートネックを改善できる理想の枕とは、いったいどのような枕なのでしょうか。
たとえば寝つくときの枕が理想的な高さであったとしても、睡眠中は20〜30回ほどの寝返りを打つため、従来の枕では中身が偏り、せっかくの理想の高さが保たれないことも。
ですから一晩中変わることなく、理想の高さを保てることが重要になります。
快眠を促す枕とは? 自分に合ったサイズや高さと好みの素材
枕はみんな同じじゃない?! ご自身の快眠を促す枕には 高さやサイズ、素材の好みまでが影響する……その根拠を探りましょう。
首のカーブは人それぞれ。 自分に合った枕の高さとは
「首のカーブ」と聞いてピン!と来る人は、相当の枕マニアか、骨格マニアではないでしょうか。
それもそのはず、首のカーブについては、ヒトの進化に遡るお話だからです。二足歩行を始めた人類は、まず重い頭をバランス良く支えることが重要な課題となりました。その進化の中で完成したのが、脊柱の「S字状カーブ」なのです。頭の重さを分散するとともに、バランス良く支えることができるよう、前後にS字状のカーブをいくつか描くようになったのです。
このカーブは、立っている状態だけが問題ではありません。寝ている状態でも、その理想的なカーブを維持することが、快適な睡眠へと繋がっていたのです。
そして、大切なポイントは「カーブは人それぞれ」であること。背の高さや体格、骨格などに合わせて発達しているわけですから、一人ひとり微妙に違うのも当然のこと。つまり、快適な睡眠を手に入れるためには、寝ているあいだも自然なカーブを維持できる、自分に合った「枕の高さ」を知ることがとても重要なのです。
では、高さが合わないとどうなるのでしょう。
枕が高すぎる場合は、いわゆるストレートネックの状態になりやすく、肩と首の筋肉がこわばります。血流も妨げられ、朝には肩や首にコリを感じることになるでしょう。それだけではありません。枕が高いと顔が下向きになり首が圧迫されてしまいます。それによって呼吸も浅くなり、いびきの原因に。また首にシワができた状態のまま寝ていることになりますので、当然首のシワの原因にもなるのです。
では枕が低すぎる場合はどうでしょう。この場合も肩こりの原因になります。枕と首のあいだ、敷ふとんと首のあいだ、それぞれにすき間ができてしまうことは、首の骨をサポートできていない状態を示します。ですから、正しい寝姿勢のための頚椎のS字状カーブを支えられず、結局は朝に肩や首筋にコリを感じてしまうのです。
枕の高さのポイントは「S字状カーブを支える」適度な高さであること。身体に一番負担が少ない姿勢の顔の角度である、軽く顎を引いた状態の約5度をキープできる寝姿勢を実現するために、ご自身の頭部と頸部にできるすき間にぴったりと当てはまる「枕の高さ」。それを知ることが快適な睡眠の第一歩であるといえます。
枕の素材にこだわって快眠を手に入れる
枕の素材=充填材といえば、日本ではそばがらなどが代表的ですが、最近では様々な素材が採用されています。一人ひとりが快眠のために素材にこだわるとなれば、たくさんの素材があるからこそ、大変な作業に感じてしまいます。
でも、ご安心ください。素材選びには決め手となるポイントがあるのです。 はじめに知っておきたいのは、どの素材にも一長一短があること。単純に「これが一番(の素材です)!」というものはありません。
では、自分に合った素材とはどのような素材を示すのか? もっとも大切なポイントはご自身の好みに素直になることです。周囲の情報に惑わされず、自分の好きなにおいや落ち着く音などを探してみてください。また素材の感触も大変重要です。これまで使い慣れた素材はやはり馴染みもあり違和感が少ないので、そういった素材を中心に選ぶのもおすすすめです。
快眠へのこだわり、素材の違いを楽しみながら、根気よく自分の中での一番の素材を見つけ出してみてはいかがでしょう。