寝る前の音楽で睡眠の質が変わる?おすすめのジャンルや聴き方を解説

睡眠の質を向上させるため、寝る前に音楽を聞いてみようと考えている人は、実際に音楽が睡眠に良い影響をもたらすのかどうか気になるのではないでしょうか。
本記事では、音楽が快眠につながる理由や寝る前に聴く音楽の選び方などを解説します。効果的な聴き方だけでなく注意点や、音楽を聴く以外の快眠習慣も紹介するので、参考にしてみてください。
音楽が心身にもたらす効果
音楽には、心身に良い影響があるイメージを持っている人も少なくありません。具体的には、どのような効果があるのでしょうか。
〇 リラックスできる
音楽を聴くと、脳の側頭葉にある聴覚皮質が活性化して「セロトニン」や「オキシトシン」などの神経伝達物質を分泌させます。このセロトニンやオキシトシンには、副交感神経を刺激する働きがあり、リラックス状態をもたらします。
また、癒やしの音楽には脳波をα波に変えていく働きも期待できるため、心身をリラックス状態に導いてくれるでしょう。
〇 やる気や集中力の向上
リラックスできる音楽を聴くと、副交感神経を刺激して心を落ち着かせられます。一方で、アップテンポな音楽を聞けば、交感神経が活発に働くようになり、集中力アップ効果も期待できます。
長時間作業や単純作業をする際には、音楽を流してやる気や集中力を高めてください。
〇 ストレス解消
仕事や人間関係、日々の生活でストレスがたまったときに、好きな音楽を聞いてストレスを和らげた経験がある人も少なくないでしょう。音楽は脳内にドーパミンの分泌を促すため、興奮や快感を与え、ストレス解消になるとされています。
また音楽を聴くと、副腎皮質から分泌されるストレスホルモンの「コルチゾール」が抑えられ、ストレスが軽減されるといわれます。なお、コルチゾールの低下は免疫力アップにもつながります。
睡眠と音楽の関係性とは
音楽を聴くと心身へのさまざまな働きがありますが、睡眠にも良い影響があるのでしょうか。
「睡眠時間を充分に取っても疲れが取れない」「夜中に何度も目が覚める」など、睡眠に対して悩みを抱えている人も多くいます。不眠状態を解消し、ぐっすり眠るためには、心身共にリラックスさせることが重要です。
副交感神経を優位にし、ストレスを軽減させるためには、適切な音楽を選ぶ必要があります。脳がリラックスした状態では「α(アルファ)波」という脳波が見られるようになりますが、心地よい音楽を聴くと、脳がα波を発生させやすい状態になるとされています。
このことから、睡眠前に音楽を聴いてリラックスすると、睡眠の質を向上させられるでしょう。
寝る前におすすめの音楽の種類
寝る前にリラックスに効果的な音楽を聴くと、睡眠の質の向上にもつながります。以下では、具体的にどのような音楽を聞けばよいのかについて詳しく解説します。
〇 ゆったりとしたテンポのクラシック音楽
α波の発生を促すには、ゆったりとしたテンポの音楽がおすすめです。クラシックには穏やかな曲が多くあり、なかでもモーツァルトが安眠に効果的といわれています。モーツァルトの音楽には高周波音が多く含まれていることから、副交感神経が働き、脳神経や免疫に良い影響があるのです。
そのほかにも、誰もが一度は聞いたことのあるバッハやショパン、ベートーべンなど有名な作曲家たちの音楽にも、同様の働きが期待できます。
音楽を選ぶ際には、ピアノや弦楽器のみなどの落ち着いた曲調のものがよいでしょう。
〇 歌詞が入っていない音楽
ゆったりしたテンポの曲でも、歌詞が入っていると無意識に歌詞の意味を考えてしまい、脳の言語中枢が刺激され、覚醒してしまう恐れがあります。歌詞の入っている音楽は、起きている間のストレス解消として聞くようにしましょう。
〇 自然の音や自然の音が入っている音楽
鳥のさえずりや波の音、川のせせらぎ、雨音など自然界にあふれている音を聞くと、心地よい気分になった経験がある人も多いのではないでしょうか。自然の音には規則性と不規則性が調和しており、そのようなリラックス効果のある音は「1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)」と呼ばれます。
そのため、睡眠前にも自然の音や自然の音が含まれているヒーリングミュージックを聞けば、心地よい眠りにつけるでしょう。
〇 高周波を含む音楽
ヘルツ(Hz)という単位の周波数は、空気の振動の周期を表すものです。人間の耳で聞き取れる音は20〜2万ヘルツとされていますが、このなかでも4,000ヘルツ以上のものを「高周波」といいます。
高周波の音には血管を拡張させ、血行を促進する働きがあるとされています。血行促進により体中の末梢神経が拡張されるとリラックス状態になり、よい眠りにもつながります。
リラックスや睡眠用に作られた高周波の音楽を聴くのもおすすめですが、身近なものとしてはモーツァルトの音楽にも高周波の音が使われているため、取り入れてみるとよいでしょう。
快眠の妨げになる音楽
寝る前に聞くとよい音楽がある一方で、寝る前には避けた方がよい音楽もあります。質の良い睡眠を目指す場合、以下の音楽は、寝る前に聞くのを避けるようにしてください。
〇 歌詞が入っている音楽
先述の通り、好きな音楽であっても、歌詞が入っていると無意識に歌詞を追ってしまい、脳が覚醒してしまいます。どうしてもお気に入りの曲を聞きたい場合は、歌詞が入っていないオルゴールバーションのものなどを選ぶようにしましょう。
〇 リズムが激しいアップテンポの音楽
歌詞が入っている曲と同様に、リズムが激しくアップテンポの音楽は、脳を覚醒する可能性があります。脳が覚醒した状態で無理に眠ると、夜中に目が覚めてしまうこともあるため、寝る前はゆったりとした音楽を選んでください。
寝る前に音楽を聴く際の注意点
睡眠の質を向上させるため、寝る前に音楽を聴く際は、次に説明する点に気をつけましょう。
〇 ヘッドホンやイヤホンは使用しない
ヘッドホンやイヤホンを長時間使用すると、「イヤホン難聴」になる恐れがあります。イヤホン難聴は、長時間イヤホンを使用し、内耳にある細胞が傷つくことによって起こります。
また、ヘッドホンやイヤホンで音楽を聴くと、外した後も脳内でその音楽が繰り返されてしまうともいわれているため、睡眠時には使用しないようにしてください。
〇 部屋は暗くしておく
質の良い睡眠を取るためには、副交感神経を刺激してリラックス状態にすることが重要です。音楽を聞いて副交感神経を刺激しても、部屋が明るいと睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌が抑えられてしまいます。
明かりがないと不安な場合は、間接照明や優しい色味の明かりを少しだけつけるようにしましょう。
〇 タイマーをセットして音楽を聴きながら寝るのを避ける
寝ている間も耐えず音楽が流れていると、睡眠中も脳が刺激されてしまい、ぐっすり眠れなくなる恐れがあります。寝る前に音楽を止めるか、途中で寝落ちしてしまう可能性がある場合は、タイマーをセットしておくようにしてください。
音楽を聴く以外のおすすめの安眠方法
音楽を聴く以外にも睡眠前に取り入れるとよい習慣があります。気軽にできるものもあるため、ぜひ試してみましょう。
〇 湯船に浸かる
体温が下がると眠気が引き起こされます。お風呂に入ると一時的に体温が上がるものの、血管が拡張するため熱を放出し、体温が下がります。
ただし、お湯の温度が熱すぎると、交感神経を刺激してしまいます。リラックスして副交感神経を刺激するためには、38〜40度くらいのぬるめのお湯に5〜30分ほど入るようにしてください。
〇 ストレッチをする
ストレッチすると血行が促進されて深部体温が上がり、リラックス状態になります。寝る前のストレッチは、睡眠の質を向上させるのにおすすめです。体の凝りをほぐせば疲れも取れるため、1日の終わりに最適な習慣となります。
背伸びをするだけでも全身の筋肉を伸ばせるので、気軽に実践してみてください。
〇 アロマを焚く
アロマテラピーも深い眠りに効果的といわれています。好きな香りを楽しむのもよいですが、目的に応じて香りを使い分けるのもおすすめです。
例えば、リラックスするにはラベンダーやカモミール、リフレッシュするにはすっきりとしたかんきつ系の香りやペパーミントがおすすめです。
〇 夕食を就寝の3時間前までにとる
夕食の消化が充分にできていない状態で眠りにつくと、胃に負担がかかり、熟睡できない場合があります。睡眠への影響だけでなく、起床時に胃もたれを感じる可能性もあるため、できるだけ寝る3時間前までに食事を済ませるようにしてください。
〇 温かい飲み物を飲んで体温を上げる
温かい飲み物を飲むと深部体温が一時的に上がり、その後徐々に下がっていくため、自然に眠気が訪れます。温かい飲み物をゆっくり飲みながらリラックスモードへ切り替えていきましょう。
飲み物は白湯やハーブティー、ホットミルク、ホットココアがおすすめです。アルコールやカフェインを含む飲み物は、睡眠の妨げになるため、避けるようにしてください。
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快眠には寝具の見直しも重要
寝る前の習慣を見直してもぐっすり眠れない場合は、寝具が身体に合っていない可能性があります。自分に合っていない枕やマットレスを使っていると、睡眠時に適切な姿勢を保てないため、寝ている間にも体が凝ってしまう恐れがあります。
使用している寝具が適切なものか、一度見直すようにしましょう。
まとめ
寝る前に音楽を聴く習慣は、副交感神経を刺激してリラックス状態になり、質の高い睡眠を促す効果が期待できます。ただし、選ぶ音楽や聞き方によっては、逆効果になる可能性があるため、歌詞のないゆったりとした音楽や自然の音などを選ぶようにしましょう。また、快眠を目指すには、寝る前のストレッチや寝具の見直しなどもおすすめです。
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