カフェインを摂ると眠れない?睡眠への影響や摂取のタイミング・量の注意点を解説

寝る前にコーヒーを飲む人は、カフェインが睡眠に影響するなら、その影響を抑える飲み方を知って、適切に楽しみたいと考えるのではないでしょうか。
本記事では、カフェインの作用や睡眠に与える影響を解説します。寝る前にコーヒーを適切に飲むための方法や、睡眠前におすすめの飲み物を紹介するので、参考にしてください。
目次
カフェインのおもな作用
コーヒーに含まれているカフェインには、どのような作用があるのか解説します。
〇 眠気を抑える
食事を摂ってエネルギーを得る際に、その代謝産物として「アデノシン」という物質がつくられます。このアデノシンの作用は、脳の覚醒を抑え、心拍数を低下させて身体をリラックス状態にするものです。
カフェインには、このアデノシンの働きをブロックする作用があるため、脳を覚醒させて眠気を抑える効果が期待できます。
〇 疲労感を和らげる
先にも解説したように、カフェインには覚醒作用があります。この覚醒作用には、眠気を抑えるだけでなく、筋肉や神経を刺激して興奮させて疲労感を和らげるはたらきもあります。
〇 むくみを予防する
むくみの原因にはさまざまなものがありますが、その一例が冷えや運動不足です。冷えや運動不足は、体内の血液やリンパ液の循環を滞らせてしまうため、不要な水分や老廃物を排出する機能が低下し、むくみにつながるとされています。
カフェインには利尿作用があるため、適度に摂ることで、体内の不要な水分や老廃物を排出する手助けをします。
〇 脂肪を燃焼させる
カフェインには、脂肪を分解する作用があることから、脂肪燃焼効果もあるとされているため、適度な摂取は脂肪燃焼やダイエットにもつながるでしょう。
運動と併せてコーヒーを摂取する場合、運動前に取り入れるのがおすすめです。
寝る前のカフェイン摂取による睡眠への影響
コーヒーに含まれるカフェインには、身体にとってさまざまなメリットになる作用がある一方で、以下に解説する睡眠に与える影響があることを覚えておきましょう。
〇 眠気を覚ます作用によって入眠を妨げる
体内でつくられる物質のアデノシンが、アデノシン受容体と結合すると、ヒスタミンという覚醒作用のある神経伝達物質が放出するのを抑え、眠気につながります。
しかし、カフェインにはアデノシンのはたらきを妨害する働きがあるため、ヒスタミンの放出が抑えられ、眠気を感じにくくさせてしまいます。
〇 利尿作用で夜中に目覚めてしまう
カフェインには、利尿作用があり、冷えや運動不足などで血液やリンパ液の循環が滞っている場合に、体内の水分の循環を促す働きとして期待ができます。一方で、睡眠前にカフェインを摂ると、就寝中にも利尿作用によって尿意を感じてしまい、夜中に目が覚めてしまう可能性があります。
〇 中途覚醒が増え、睡眠のリズムが整わなくなる
カフェインには覚醒作用があるため、眠気の抑制や疲労感の軽減に役立ちます。しかし、睡眠前にカフェインを摂ってしまうと、睡眠中に覚醒作用がはたらいてしまい、中途覚醒につながる恐れがあります。
飲み物に含まれるカフェイン量
カフェインが含まれている飲み物は、コーヒーだけではありません。以下では、カフェインが含まれている身近な飲み物と、それらに含まれるカフェイン量の目安を解説します。
〇 コーヒー
コーヒーにはカフェインが含まれていますが、使用されている豆の種類や抽出方法などによって、含まれるカフェインの量に差がでます。一般的なコーヒーに含まれるカフェイン量の目安は100ミリリットルあたり、60ミリグラムです。しかし、インスタントコーヒー(顆粒製品)は、カフェイン量が少し減り57ミリグラムとなります。
〇 紅茶
紅茶もコーヒー同様に、茶葉の種類や製法によって含まれるカフェイン量が異なります。そのため、あくまで目安ですが100ミリリットルあたりのカフェイン量は、30ミリグラムです。
〇 緑茶
緑茶をはじめ、煎茶やほうじ茶、ウーロン茶には、100ミリリットルあたり20ミリグラムのカフェインが含まれています。
なお、お茶のなかでもカフェイン量が多いとされているのが玉露です。100ミリリットルの玉露には、コーヒーよりも多い160ミリグラムのカフェインが含まれているとされています。
〇 エナジードリンク
眠気を抑えられるとされているエナジードリンクは、種類も豊富なため、それぞれに含まれるカフェイン量は異なります。そのため、目安ではありますが100ミリリットルあたりに32~300ミリグラムほどのカフェインが含まれているとされています。
1本飲むとかなりのカフェインを摂取する可能性もあるため、飲み過ぎには注意しましょう。
睡眠前にコーヒーを飲むメリット
コーヒーをはじめとした飲み物に含まれるカフェインには、入眠を妨げたり、夜中に目を覚ましてしまうなどの懸念点がありますが、効果的に摂取すると得られるメリットもあります。
〇 リラックス効果
淹れたてのコーヒーには、気持ちを落ち着かせる作用のある「ピラジン」という香りの成分があります。香りを楽しむという観点からすると、リラックスして良い眠りにつながる可能性もあるでしょう。
〇 血行促進
カフェインには、血管を広げる作用もあるため、血行促進も期待できます。血液のめぐりが良くなると、身体の熱が体外に放出されて入眠しやすくなります。また、身体の隅々まで血液がめぐることで、冷えや肩こり解消にも役立つでしょう。
カフェイン摂取のタイミングと量の注意点
睡眠への影響をできるだけ受けないようにしながら、効果的にコーヒーを飲むためのタイミングや量を解説します。
〇 カフェイン摂取のタイミング
コーヒーなどで摂取したカフェインは、体内に5〜8時間ほど残り、覚醒作用が続きます。そのため良い睡眠を目指す場合は、カフェインを含む飲み物を飲むのを就寝時間の8時間前までにしておくとよいでしょう。
〇 1日のカフェイン摂取量の目安
欧州食品安全機関(EFSA)は、18〜65歳の成人が摂取するカフェイン量について、1日400ミリグラムまでであれば、健康上問題がないとしています。400ミリグラムとは、コーヒーに換算した場合、1日5杯程度です。また、WHOも同様のカフェイン量を推奨しています。
ただし、寝る前は入眠や睡眠の妨げにならないよう、100ミリグラム程度の摂取にとどめるようにしましょう。また、妊娠中の人は1日あたりのカフェイン摂取量を200ミリグラム程度までにしてください。
睡眠を妨げない睡眠前のコーヒーの飲み方
睡眠前にもリラックスのためにコーヒーを飲みたい人は、次の方法を取り入れてみるとよいでしょう。
〇 カフェインレスタイプのコーヒーを飲む
カフェインレスとは、カフェインが入っていないわけではなく、90%以上取り除いた状態のことを指します。カフェインレスコーヒーは、一般的にカフェインが97%以上取り除かれているため、睡眠前でもカフェイン量を気にせず楽しめます。
〇 ホットで飲む
同じコーヒーを飲む場合でも、アイスよりホットで飲む方がよいでしょう。温かい飲み物には、血行促進効果があり、コーヒーの香りを楽しむためにもホットがおすすめです。
なお、冷たい飲み物は身体を冷やしてしまうため、カフェインの作用と相まって、夜中にトイレに行きたくなって目が覚めてしまう可能性もあります。
〇 ミルクを足して飲む
ミルクに含まれるタンパク質や脂肪が、胃腸の働きを穏やかにし、カフェインの急激な吸収を抑えられるため、睡眠前にコーヒーを飲む際にはミルクを入れて飲むのもよいでしょう。
睡眠前におすすめの飲み物
最後に睡眠前におすすめの飲み物を紹介します。普段コーヒーを飲んでいる人も、気分転換がてら取り入れてみてはいかがでしょうか。
〇 白湯
白湯は胃から身体全体を温められる飲み物です。身体が温まれば、冷えも解消するでしょう。また、カロリーもないため、睡眠前に飲んでも安心です。
なお、白湯は水道水を一度鍋ややかんで沸騰させたものです。水道水の塩素を充分に除去するには、10分ほど沸騰させるようにしましょう。
〇 ハーブティー
ハーブティーには、カフェインが含まれていないものが多くあり、さまざまな香りでリラックス効果も得られます。
睡眠前におすすめなのは、リラックス効果のある香りのカモミールやラベンダーです。また、身体を温めたい場合は、ジンジャーティーもよいでしょう。
〇 ホットミルク
温かい飲み物は身体を温めてくれるため、ホットミルクも睡眠前におすすめの飲み物です。
さらに、ミルクには睡眠を促すホルモンをつくる「トリプトファン」が豊富に含まれています。また、ミルクに含まれるカルシウムは自律神経を整えるはたらきがあります。
〇 トマトジュース
トマトにもトリプトファンが含まれており、その他にも興奮状態を落ち着けてくれるGABA(γ-アミノ酪酸)や、内臓などの深部体温を下げるミネラルが豊富です。なお、GABAはストレスを感じている人にもおすすめです。
〇 甘酒
甘酒の原料は、アデノシンを含む「酒かす」と、抗ヒスタミン成分を含む「米こうじ」の2種類があります。いずれの成分も眠気を誘うはたらきがあります。どちらの成分を摂りたいかによって、飲み分けるとよいでしょう。
まとめ
コーヒーに含まれるカフェインには、リラックス効果や血行を促すはたらきがあります。効果的に取り入れて、睡眠の質を高めてみてはいかがでしょうか。しかし、睡眠前にカフェインを摂りすぎると入眠を妨げたり、夜中に目覚める原因になったりするため、摂取量や飲むタイミングに気をつけましょう。
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