枕の物語 vol.04
初夢と宝船

室町時代、初夢を見るのは節分の晩とされていました。上方ではその風習が残りましたが、江戸時代中期に立春と正月が分離した頃から、江戸では正月二日の晩に見る夢を初夢とするようになったということです。
人々は吉夢を見たい一心で、船の絵を枕に敷くこともありました。それが江戸時代、浮世絵の隆盛をみる元禄期から、船は七福神や宝物を乗せ「宝船」になり、この風習は一般庶民にまで広がります。新年を迎え、気分あらたな正月の初夢で一年の吉夢を見たいという積極的な気持ちがうかがい知れます。
宝船には、廻文(上から読んでも下から読んでも同じ文)が添えられたものもあらわれます。この廻文は三度唱えて寝ると、吉夢が見られるとも言われ縁起のいいものとされていたのです。この宝船の絵は正月二日に「お宝、お宝」というかけ声とともに売られていました。吉夢が見られた時は大切に保存され、そうでない場合は、実際に川に流したということです。