枕の物語 vol.02
旅と枕

旅行にでると、枕が変わって眠れない、という言葉をよく聞きますが、日本では江戸時代、旅行用の枕が作られていました。写真のようなコンパクトに折りたためる枕や、「箱枕」と呼ばれる、引き出し部分にお金やロウソク、算盤、筆記用具などがコンパクトに収納された携帯式枕です。世界に目を向けると、携帯式の枕はいくつか見られます。かつて、中東アラブ地域では、袋に動物の毛やワタを入れた柔らかいクッションをつくり、昼間くつろぐ時に使用していました。移動しながら遊牧生活を送る彼らにとって、生活道具をコンパクトにするのは絶対必要な条件でした。昼間のクッションを夜は枕として兼用していたのです。このクッションが、のちにヨーロッパにもたらされて専用の枕として定着したのです。
かつてどんな地域でも、枕がなければ、身近にあるものや手、腕などを使って、枕代わりにして睡眠をとっていました。その工夫の歴史が、今日枕の使い方の中に残っているようです。詳しくは、これからの枕の物語でご紹介しますので、ご覧ください。