現代人に必要な「積極的な休養」

現代人は、ハードワークやストレス、睡眠不足、インターネットやテレビの刺激などによって、副交感神経優位な状態を作れない方が多いという調査結果があります。
また、日本では、国民の5人に1人、高齢者の3人に1人が不眠を抱えていると言われています。

副交感神経優位へシフトしづらい身体は、疲労がとれにくい状態にあり、「積極的な休養」による疲労回復が必要です。

健康の3大要素

身体のバランスを取り戻すには
活動と休養の切り替えを

人は通常、日中は活発に活動し、夜は休養して疲労を回復するといったように、スイッチを切り替えることでバランスをとっています。この切り替えがうまくいかないと、体のバランスがくずれ、疲労状態に陥ってしまいます。疲労を回復するためには、この切り替えをスムーズに行うことが大切です。

交感神経グラフ

良い眠りと深く関わる自律神経

現代人の多くは、多忙な仕事や睡眠不足、疲労などによってストレスがたまり、心身が常に緊張しがち。なかなか寝つけず、眠りも浅い…と感じる方も少なくありません。寝つきがよく、ぐっすり眠る秘訣は、眠りと自律神経の関係性に隠されていました。

すなおクリニック院長 内田直先生

すなおクリニック院長
内田直先生

早稲田大学スポーツ科学学術院教授。医学博士。精神科医。
睡眠障害やうつ、発達障害、不安障害、認知症などの治療にあたる
http://sunao.clinic

夜に副交感神経が優位になると、質の良い眠りが得られます

自律神経とは心拍や呼吸、体温調節など自分の意思で動かせない体の機能を司る神経で、交感神経と副交感神経があります。
交感神経は、興奮や緊張をすると優位になります。すると心拍数が増え、血管が収縮し、筋肉が緊張して体が活動モードになります。おもに朝から日中に活発に働きます。
一方、副交感神経は、心身がリラックスしたときに優位になります。すると心拍数が減って、血管が拡張し、筋肉が緩んで体が休息モードに。こちらは夕方から夜に活発に働きます。この自律神経が正常な状態なら、夜に副交感神経が優位になって心身が休息モードになり、質の良い睡眠が得られます。でも自律神経が乱れると、夜も交感神経が優位なままになり、睡眠の質が下がるのです。

1日の自律神経の変動(心拍変動)

多忙な仕事などによるストレスで、 交感神経が過剰に優位な人が多数!

現代人の多くは、自律神経が乱れています。
多忙な仕事や、睡眠不足、疲労などによってストレスがたまり、心身が常に緊張しがちなので、交感神経が過剰に優位になりやすいのです。
また昔は、日中は外に出て活発に体を動かし、暗くなったら寝るという自律神経のリズムに沿った生活をしていました。しかし現代は、夜になっても明るい照明を浴び、パソコンやスマートフォンなどの強い光を見ながら頭を働かせているため、夜になっても心身が活動モードで交感神経が優位な状態のままになりがちです。そのため、なかなか寝つけない、眠りが浅いなど、睡眠のトラブルを抱える人が多いのです。

睡眠中も副交感神経のスイッチが入っていない?!

睡眠中は本来は副交感神経が優位になります。
これによって筋肉の緊張がゆるみ、リラックスします。また、血流も良くなるので、酸素や栄養が体の隅々の細胞に行き渡り、体の修復が促されます。
また、副交感神経が優位になると、睡眠中に徐波睡眠という深い睡眠が多く出現するため、脳も休息モードに。つまり睡眠中に副交感神経が優位な状態なら、体と脳の両方の疲労が回復し、スッキリと起きられるのです。朝に疲れが取れていないのは、寝るときに交感神経から副交感神経にうまく切り替わっていないためと考えられます。

2つの自律神経のおもな働き

身体を活動モードにする- 交感神経 -
身体を休息モードにする- 副交感神経 -

副交感神経が優位な状態ぐっすり睡眠のカギ